『ポリープ切除の判断について』
一般の方から、『ポリープ切除の判断について』に関して質問がありました。
その質問と回答です。
■質問
病院によって切除する基準の違いがあると思います。貴院のインターネットでの紹介に、『大腸ポリープ切除の判断』が掲載されています。そこで下記項目の質問がございます。
- (1) 10mmを超えるポリープ
- (2) 癌を疑うポリープ
(1)(2)は入院し切除
- (3) 6〜9mmの良性ポリープ(1個)は内視鏡検査時相談して切除、2個以上は経過観察、
とあります。
質問です。
- Q-1(2)の『癌を疑うポリープ』とは、内視鏡での判断により、癌が疑われるものでしょうか。それとも、腺腫も含みますか。
- Q-2(3)の良性ポリープは腺腫ですか。それとも過形成性ポリープも該当しますか。
- Q-3(3)の2個以上は切除せず経過観察とありますが、その理由をお聞かせください。
- Q-4(1)はポリープの種類に関係なく切除されますか。
■回答
Q-1(2)の『癌を疑うポリープ』とは、内視鏡判断により、癌が疑われるものでしょうか。それとも、腺腫も含みますか。
当院のホームページから消化器内科のページの最下段に消化器内科症例紹介『リンパ節に転移していた大腸ポリープの3例』があります。『小さくても癌を疑うポリープ』がスライド4枚目です。写真の中央部分のパターンが大部分内視鏡で切れる癌、周囲は腺腫のパターンです。
わずかでも癌が疑われるときは、特殊な染色をして、100倍の拡大観察をして判断します。時間がかかりますが、必要な検査方法と考えています。
Q-2(3)の良性ポリープは腺腫ですか。それとも過形成性ポリープも該当しますか。
腺腫です。過形成性ポリープは取りませんし、フォローもしません。
Q-3(3)の2個以上は切除せず経過観察とありますが、その理由をお聞かせください。
ポリープが多発する人は、1個の人と比較して、全て切除しても早いタイミングでポリープができてきます。
今年発表された『日本消化器内視鏡学会雑誌 63巻 (2021) 2号 大腸内視鏡検査後のサーベイランス間隔』はそのデータを元に作成されています。
2個までのポリープ、3-9個のポリープ、10個以上、ではポリープが再発する期間が違い、多いほど早く再発してきます。
たくさんポリープができるかたは1年後、3年後と経過観察して、大きくなるもの、形や色が変化するものを切除対象にしています。もちろん、①10mmを超える②小さくても癌を疑うに当てはまるものは切除対象です。
Q-4(1)はポリープの種類に関係なく切除されますか。
過形成性ポリープ以外はほぼ切除します。
以上が当院 消化器内科の方針です。病院選びの判断になれば幸いです。またこの方針は他の病院、クリニックには当てはまらない、とお考え下さい。
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